スリランカの紅茶とは


 

スリランカ紅茶教室 NO3
 


イギリスの茶自給計画の一環として茶業は発展を遂げました。

 茶の栽培にとってスリランカの自然環境は高温多湿で理想的な場所でした。

湿気を含む熱帯山岳地帯に産する茶の品質はきわめて高く上級茶生産の割合が多く認められます。
11月〜2月にかけて北東モンスーンの季節となり、中央に縦に連なる山の東側は雨期、西側は乾気となります。
このため1月〜3月は山の西側にあるディンブラ、ヌワラエリヤがクリオティーシーズンになります。
5月〜6月は偏西風が吹いて西側が雨期になり東側が乾期になりますので、8月〜9月がウバ茶のクリオティーシーズンとなります。
気象条件によってスリランカでは一年を通じ島のどこかで茶を摘み取ることが可能となります。
古くからセイロン茶として親しまれていますが、水色が明るく澄んだ美しい赤色甘い香りとしっかり締まった切れ味が特徴といわれています。
毎日紅茶を飲むことは心臓疾患の予防に役立つと言われています




分 類

エステートのある地域、標高によって3つに分類されています
 High Grown  高地産紅茶  海抜 1220m以上
 Medium Grown  中地産紅茶  海抜 1200〜600m
 Low Grown  低地産紅茶  海抜 610m以下カテキン類
スリランカの紅茶の特徴

 この邦特有の山々の起伏のある地形が紅茶栽培に適していた紅茶には
 @品種 A土地の標高 B天候の変化 C風速 D季節 の条件が必要とされます。
 茶葉は天候の変化に非常に敏感であるため品質に確実に影響を与えます。

 産 地

 紅茶栽培が始まったのはKandy近郊のヘワヘタ地区です、ここは立地条件の便利さから選ばれました。その後ニラベレ、プッセラワ、ガンポラとKandyの南部  一帯に広がりました。   

 地域 地区 
 ヌワラエリヤ  
 ウバ  バンダラウェラ マルワッテ ウェリマダ ハプタレ
 ウバプッセラワ   マトラタ ラガラ
 ディンブラ  ハットン ディコヤ ボガワンタラワ タラワケレ コタガラ
 キャンディ  ヘワヘタ プセラワ マータレ
 ルフナ  デニヤヤ ラトゥナプラ ネルーワ ゴール

産地別特徴

 <ヌワラエリヤ Nuwara Eeiya
ヌワラエリヤはすごしやすい気候で自然に恵まれた地方です。
花の多い牧草地、原生林、それと高原などがあります。
ヌワラエリヤは細長い谷で海抜2000mに位置しています。
爽やかな空気とイト杉のふくよかな匂いに満ち、野生のミントの芳香が漂っています。
このような環境に恵まれた地域に育った紅茶であればこそ、世界の“紅茶通”を満足させる商品が出来るのです。
紅茶はやわらかで爽快な渋みとデリケートな香りがあり、水色は淡いオレンジ系の赤色です。
ストレートティーでお楽しみください。
 <ウバ Uva
スリランカ中央山岳地帯の東斜面に位置し海抜1000〜1700mのところで栽培されています。
世界三大銘茶の一つと言われ、独特の風味と刺激的な味があり、水色は明るいオレンジ系の赤色です。
旬の茶園では、涼しく乾いた風が40日間続くと芳香が充満し、一回雨が降るとその香りは消えてしまうと、その繊細さが語られます。
ストレートティー、ミルクティーでどうぞ。
 
 <ディンブラ Dimbura
ディンブラはセイロン紅茶の中でもっとも有名な名前です。
この地域は1870年代にコーヒーに変わって、セイロンで最初に紅茶が栽培された地域のひとつだからです。
茶園は広大な西側のなだらかな斜面に沿って広がっています。
この斜面にある茶園は海抜1200m〜1700mの高地に位置しています。
香りはバラの花に似た甘さを持ち、水色は明るいオレンジ系の赤色で透明度が高く、まろやかな風味と若干の渋みがあり飲みやすい紅茶と言われています。
ストレートティーのほか、フルーツティーやスパイスティー、ミルクティーと多岐にわたって楽しめます。
 <キャンディ Kandy
スリランカ最後の王朝跡の点在する標高1200〜1500m辺りの広範囲で栽培されています。
セイロンティーとして最も古くから紅茶栽培が行われいている代表的地域です。
水色はルビー色の鮮やかな赤色で透明度も高く、紅茶の中では最高の水色と言われています。
渋みが少なくタンニン含有量の少ないお茶です。
ストレートティー、アイスティーでお試しください。
 <ルフナ Ruhuna
標高400〜600mの亜熱帯雨林地帯から南西海岸迄、各地域で栽培されています。
いつでもおいしいお茶を見つけることの出来る地域です。
スモーキーな香りと濃厚な甘味を持ち、水色は紫がかった赤色で、スリランカの紅茶の中では個性の強いお茶です。
最近では中東方面への輸出が大量に行われていますが日本では見かけることの少ないお茶です。
ミルクティーでどうぞ。



 紅茶の作り方

栽培 :収穫物を利用する目的で植え付け管理すること
 苗作り、植え付け、株仕立て、施肥、灌漑、病害虫防除、摘採、株ならし、中刈りなど専門的知識の必要な管理方法があります

 * オーソドックス製法

 苗木  Nursery  種を植える方法
取り木方法
 摘採   Plucking  茶の葉は木を植えてから3〜4年で収穫しますが、本来は芯芽とそのすぐ下の若葉(一芯二葉といいます)を摘採していましたが、最近は木の管理が良くなったため一芯四葉辺りまで摘採しています。
 萎凋  Withering  摘採した生葉に含まれている水分を取り除くために、一般的には45%減を標準に40℃〜50℃の熱風を8時間〜12時間送り葉を柔らかくします。
 揉捻  Rolling  萎凋した葉を揉念機に掛けて何回か揉みます。揉むことで葉から酸化酵素を含む汁液を絞り出し空気に触れさせて酸化発酵を促します。この発酵が紅茶の香り、味、色を決めます。
 玉解・
ふるい分け
   揉念中に葉が塊たまり状態となるため、この塊を崩して、熱を冷まし空気を当てて均一に発酵させます。ふるいにかけ落ちたのは次の工程である発酵に、ふるいに残った大きな葉は再び揉念機にかけます。
 発酵   Fermentation  通常温度摂氏25度、湿度90%の状態で2時間静置します。 揉念によって発酵が始まった葉はここで紅茶としての発酵を完成させます。茶葉は酸化酵素の働きで赤銅色となり芳香を放つようになります。 水色もこの発酵具合で左右されます。 最近では揉念中に温湿度を与え、発酵を促進させる方法も採用されています。
 乾燥  Drying  120℃の熱風を約20分間与えて発酵を止め乾燥を行います。葉の水分量55%の茶葉を含有水分量3%になるまで一気に乾かします。葉の色は紫褐色となり、収縮硬化して貯蔵可能な状態となります。
荒茶    raw tea  茶の製造で乾燥までを終了し、形状を整えていない茶のこと。最近では精製工程一貫して行うことが一般的です
 *ローターバン製法

発酵の前に葉をカットします。
茶葉の発酵がより効果的に行われ、時間短縮と大量処理が可能となります。
短時間に濃い抽出液が得れ主にティーバック用茶葉になります。0度以下の温度ではゆっくりと溶け出しますが、80度では急激に90度では即時に溶け出します

CTC製法

CTC機という揉念機を使った製法。
細胞の破壊が著しく、葉の汁液は完全に絞り出され、短時間に発酵し、乾燥されます。
C=クラッシュ(つぶす)T=ティア(引き裂く)C=カール(丸める)の略
2本のステンレス製の筒の表面に細かい刃が切ってあり、揉捻された葉はこの筒の間を通過する事によりクラッシュ、ティア、カールされ細かく粉砕され、粒状に丸められていきます。



1. 美味しい紅茶の条件  2. 成分と薬用効果  3. スリランカの紅茶  4. Ceylon Teaの歴史
5.  等級区分  6. ジェームステーラー  7. ポリフェノール  8. 茶の木
9. 茶の起源  10.紅茶製造   11.カフェイン